九州新幹線長崎ルートの整備方針検討区間(新鳥栖―武雄温泉)に関し、斉藤鉄夫国土交通相が「国交省全体でどのように取り組めるか検討している」と述べたことに関し、山口祥義知事は21日の定例会見で、「九州全体を含めて議論できるような環境になればいい」と期待感を示した。
山口知事は昨年8月、都内の自民党本部で与党検討委員会の森山裕委員長と面会。知事によると「フル規格で議論するならば、九州全体の空港や港湾などインフラ全体で議論すべきで、大きな観点から考えるべきだと思う」と伝え、森山氏も「大きな観点は大事だ」と応じたという。斉藤氏の発言について山口知事は、昨年8月の自身と森山氏とのやり取りが下敷きになっているとの見方を示した。
その上で「幅広い議論、九州全体、筑後圏域も含めて議論をできるような環境になればいいなと期待している」と述べ、「佐賀県から打開すべきものとは思っていない。今の在来線の環境は悪くない。そこを打開するような話が出るならば、議論することもやぶさかではない」と強調した。
整備方針検討区間を巡る佐賀県と国交省の「幅広い協議」は膠着こうちゃく状態が続いている。森山氏は2月中旬の与党検討委で、国交省を挙げて佐賀県と協議するよう要請、国交省の対応方針が決まった後に佐賀県を訪問する意向を示した。(山口貴由)