脊振山の中腹にある浄徳寺(神埼市脊振町)のシャクナゲが見頃を迎え、山をピンクや白に彩っている。昨年亡くなった前住職・千々岩久外さんの遺志を妻のシゲ子さん(78)が継ぎ、4年ぶりに「シャクナゲ祭り」を開いている。
シャクナゲは久外さんが高校時代から増やしてきた。過疎化が進む地域を元気にしようと、旧本堂の裏山1ヘクタールを買い取って整備し、1990年から公開している。20種類以上、約1万本の花が参拝客を楽しませてきた。
久外さんは新型コロナウイルスの影響で閉園中の昨年4月、早咲きのシャクナゲが満開になるのを見届けるように逝ったという。シゲ子さんは「一緒に世話をしてきた主人の思いを受け継ぎたい」とシャクナゲ祭りの再開を決めた。
透明感のあるみずみずしい花が丸く集まって開き、一つの花束のようにも見える。きょうだい5人で訪れた小城市の岸川智恵子さん(75)は「1週間前にも来たが、2度目は変化が感じられて楽しい。これだけ咲いていると豪華ね」と目を細めていた。
祭りは5月7日まで。拝観料500円(高校生以上)。23日正午からは「お寺でマルシェ」を開く。(西浦福紗)