故郷で今季初白星をつかめなかった。DeNAの左腕濵口は粘り強い投球を続けたが、一発に泣いた。11年ぶりにさがみどりの森球場のマウンドに立って勝利を目指したが「またチームの連勝を止めてしまった。悔しい」と唇をかんだ。
二回に3連打などで2失点したが、尻上がりに調子を上げた。四回のピンチは味方の好守に救われた。今季最長の七回のマウンドに上がったが、無死一塁から8番吉川に本塁打を浴びた。「話にならない点の取られ方」と厳しく見つめた。
同球場での登板は2012年夏の佐賀大会以来。試合中に足をつり、熱中症の症状に見舞われた3回戦で敗れたが、エースとしてマウンドを守り抜いた。特別な思いを抱きながら、高ぶる気持ちを抑えて臨んだ一戦。「大きな声援も聞こえた。ここで投げられて良かった」とかみしめた。
今季は3戦3敗。「とにかく自分のボールを投げることだけに集中する。勝利に貢献できるように早く状態を上げたい」と、顔を上げて思い出の球場を後にした。(小部亮介)