23日の譲渡会イベントを知らせるチラシ

 鳥栖市で初めてという保護猫の譲渡イベントが23日、真木町のナフコ鳥栖店駐車場で開かれる。同市内では昨年末から、野良猫に避妊去勢手術をして地域に戻し、世話をしながら一代限りの命を見守る活動が徐々に広がっており、関係団体が企画した。不幸な猫を増やさないまちづくりに向け、理解と協力の輪を広げる第一歩とする。

 昨年12月、市内で70匹以上の野良猫の集団が見つかったのがきっかけ。相談を受けた「福岡ねこともの会」の小田あゆみさん(47)=久留米市=らを中心に福岡県内のボランティアや市、公益財団法人の基金の協力などで避妊去勢手術を施し、地域に戻した。

 この枠組みを生かし、市内7カ所でも同様の活動を実施した。市外で活動していた個人ボランティアや市議らも加わって「チーム☆にゃん鳥栖」(10人)を立ち上げ、鳥栖市を拠点とする活動団体を目指していく。

 野良猫が産んだ子猫は交通事故やカラスの犠牲、虐待の対象になることもある。手術をした猫も餌をもらわないと生きていけないため、活動には地域の理解と協力が欠かせない。事前に各区長に趣旨を説明し、理解を得られた地域で活動しており、小田さんは「野良猫をつくらない飼い主のモラルも大事になる。意識が広がり、猫に優しい地域になってもらえたら」と話す。

 譲渡会は午前11時~午後4時。久留米市の保護猫ボランティア「ねこ善」が主催し、市環境対策課や「チーム☆にゃん鳥栖」、福岡県内の団体などが共催する。子猫を含め約40匹が集まる予定。子猫は譲渡可能な月齢に育ってから飼育環境を確認した上で引き渡す。雑貨販売やキッチンカー、ミニライブも同時開催し、多くの来場者を募っている。(樋渡光憲)