学習資料「一家に1枚 ウイルス」(A1判)を広げる北海道大大学院生の川久保修佑さん=札幌市の北大(提供)

 唐津市出身で北海道大大学院生の川久保修佑(しゅうすけ)さん(25)が、全国の小中高校などに毎年配布される文部科学省の学習資料「一家に1枚 ウイルス~小さくて大きな存在~」の製作チームの一員として監修に携わった。「子どもから大人まで楽しめる知識が詰まっている。関われてうれしい」と目を細める。

 学習資料は2005年から、科学技術週間(今年は4月17~23日)に合わせ、毎年発行している。これまでガラス、太陽などをテーマに「見た目がきれいで、部屋に貼っておきたくなるもの」などをコンセプトに作られており、川久保さんも学校の理科室に貼られているのを見ていたという。

 川久保さんは唐津東中高卒で佐賀大の農学部と大学院を経て、昨春から日本学術振興会特別研究員として北大大学院博士課程に在籍。植物ウイルスの進化を研究している。ウイルス学若手ネットワークの有志と共に「一家に1枚」の公募に応募した。

 「自然環境から人間社会へ」「人類との関わりの歴史」など六つの観点からウイルスについてまとめ、1枚に収めた。川久保さんは「コロナで注目されているけれど、ウイルスを理解している人は少ない。ウイルスは病原体だけでなく、僕たち生物が生きていくために必要な生態系の構成要素の一つであることも知ってほしい」と語る。

 文科省のウェブサイトからA3判で印刷できる。県内では県立博物館、県立宇宙科学館、佐賀市星空学習館で配布している。(宮﨑勝)

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