年齢や障害の有無を問わず楽しめるよう配慮した「インクルーシブ遊具」が、上峰町中央公園に設置された。新たな遊具の形として注目を集めており、車いすのままで利用でき、聴覚や触覚でも楽しめる環境を整えた。お披露目会が開かれ、子どもたちが遊具に駆け寄り夢中になって遊んだ。
車いすを降りずに入れるスロープや、親子で滑れる広さを設けた滑り台、クッション性が高く転倒してもけがをしにくい地面などを整備した。新型コロナなどの感染対策として手すり部分には抗菌シートも施されている。総事業費は約3300万円で、新型コロナ臨時交付金を活用した。
1歳児を連れて遊びに来ていた母親(32)は「子どもの遊び場としてだけでなく、いろんな悩みを持ったお母さんたちの交流の場にもなると思う。また連れて来たい」と話した。
今後は、体が固定できる背もたれ付きのブランコや乳幼児向け遊具の設置も計画しているという。町の野口敏雄教育長は「誰もが自然と笑顔になれる公園を目指している。伸び伸びと遊んで元気に成長してほしい」と期待した。
県内では昨年、神埼市神埼町の日の隈公園に初めてインクルーシブ遊具が導入された。(井手一希)