定期株主総会後の記者会見で、5期ぶりに黒字に転じたことを説明する小柳智之社長(右から2人目)=鳥栖市の駅前不動産スタジアム

 サッカー・J1サガン鳥栖を運営するサガン・ドリームスが15日に発表した2022年度(22年2月~23年1月)決算は、純損益が1億7777万円となり、5期ぶりに黒字に転じた。債務超過は3期連続となったが、前期から大幅に減らした。24年度までの解消を目指す。

 前期の決算は2億2093万円の赤字だった。小柳智之社長は「経営陣やスポンサーが同じ方向を向いて売り上げを上げ、経費の無駄を省くことに注力した結果」と赤字脱却の理由を説明した。

 全体の売上高は、前期から21%増の27億6055万円。うち、広告料収入は前期から3億8852万円増えて10億4078万円となった。小柳社長は「ユニホームスポンサーが全て埋まり、スポンサー企業の数も大幅に増えた」と売上増の要因を挙げた。

 チケット販売による興行収入も前期から19%増加した。一方、新型コロナウイルスの影響がなかった19年度の入場者数と比べると「75%程度にとどまっている」(小柳社長)という。今後はサッカー以外のイベントや他ジャンルとのコラボレーション企画で集客を図る考え。

 債務超過は前期から1億7778万円減り、2億8624万円だった。小柳社長は「残り2年で返済していく」との認識を示した。(中村健人)