最近の主な値上げ商品

 物価高騰の波が収まらない。4月からマヨネーズやチーズ、ハムなど身近な食品が値上がりし、佐賀県内の小売店や飲食店でも価格転嫁に踏み切らざるを得ない状況。値上げはトイレットペーパーや台所の衛生用品など幅広い日用品に及び、家計を直撃している。

 帝国データバンクによると、4月の値上げは食品が目立ち、5千品目近くに及んだ。仕入れ価格の高騰を受け、佐賀市のスーパーではヨーグルトやチーズなど乳製品の価格を1割ほど上げた。昨秋に続く値上げでバターは80円、マヨネーズは近く15%程度上げる予定だ。

■「踏ん張れない」

 「こんなに短期間で複数回の(仕入れ価格の)値上げはない」と担当者。「しばらく我慢すれば乗り切れたこれまでとは違う。この流れは、とてもじゃないけど踏ん張れない」とこぼす。

 大手に続いて県内メーカーも価格を改定。佐星醤油(佐賀市)は1日受注分から麦みそ(1キロ)を税抜き530円に、ゆずポン酢(200ミリリットル)も同570円に、それぞれ50円上げた。宮島醤油(唐津市)はしょうゆ、みその価格を6月1日納品分から約5~20%引き上げる。

 値上げは食品にとどまらない。県内のあるホームセンターには、4月から3千品目以上の卸売価格を引き上げるとメーカーから連絡があった。ペット用品やコピー用紙など紙類の上げ幅が15~20%と大きく、家庭用の消臭剤なども目立つ。

■朝日、西日本値上げ

 紙類の値上げは新聞業界にも影響が出ている。5月1日から、朝日新聞は朝刊のみの統合版で月4千円に、西日本新聞も朝刊のみで月3900円に、いずれも500円値上げする。

 LPガスを取り扱っているJAライフサポート佐賀は、原料の仕入れ値に合わせて価格を変動させている。4月は据え置いたが、5月は1立方メートル当たり26円上げる予定という。

 このほか、宅配便の運賃なども10%程度引き上げられた。原材料費の高止まりが続く中、暮らしへの打撃は当分避けられそうにない。(取材班)