世界ラリー選手権などで活躍するドライバーで、15日に開幕する「ツール・ド・九州」にゲスト参加するヤリマティ・ラトバラさん(38)による講話が14日、唐津市の佐志中で開かれた。競技と勉強とを両立した自身の経験から、夢を諦めないことの大切さを説き、迫力満点の走行パフォーマンスも披露した。
ラトバラさんはフィンランド出身。22歳で世界ラリー選手権(WRC)を初制覇し、WRC最年少優勝記録を更新した。WRCで18回の優勝経験があり、現在はトヨタのガズーレーシングワールドラリーチーム代表を務める。大会イベント出演のため唐津市を訪れ、本人の希望で生徒と交流した。全校生徒約120人が聴講した。
ラトバラさんは幼い頃かラリードライバーになる夢を持ち、17歳から本格的に大会に出場。競技拠点の英国とフィンランドを行き来する生活を送った。「勉強などやるべきことはやりたいと思い、同時に運転も練習した」と努力を重ねた10代を振り返った。
生徒には「夢を実現するためには夢を信じること。努力し、大変なことに直面したときに諦めないこと」とエールを送り、「今の夢はドライバーであり続け、一瞬一瞬をフルで楽しむこと」と夢を追い続ける競技人生を紹介した。
走行パフォーマンスでは、躍動感のあるラリーカーの走りに生徒から驚きの声が上がった。特別に車両に同乗した佐志中3年の坂本由絃さんは「一瞬で風景が変わってすごかった。ラトバラ選手が優しく声をかけてくれて、一生の宝物になった」と笑顔を見せた。(横田千晶)