一つの苗から見事なフジ棚を作った光武正仁さん=有田町中の原の光武商店

 有田町中の原の焼き物商社「光武商店」の裏庭にあるフジが見頃を迎えている。一つの苗から育った長さ8メートル、幅2メートルの見事なフジ棚で、一声かければ誰でも自由に見ることができる。

 社長の光武正仁さん(84)が40年前、親戚からもらった苗を庭の隅に植えたのが始まり。順調に伸びる蔓(つる)を物干しや建築用の鉄パイプで支え、庭の端から端までフジ棚を広げていった。「手入れが大変でしょうと言われるけど、テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)の駆除以外はほとんど何もしていません」

 見頃は25日ごろまでで、薄紫の優美な花々の周りをクマバチが飛び交う。以前は4月末からの陶器市に見頃を迎えていたが、温暖化の影響か、開花が半月早くなった。今年から店先に「藤の花が咲いています」と日本語と英語で観賞を呼びかける看板を立て、観光客に喜んでもらっている。光武商店、電話0955(42)2073。(青木宏文)