鳥栖-広島 前半、相手FKを好セーブする鳥栖GK朴一圭(手前)=9日、広島市のエディオンスタジアム広島

 Jリーグ取材でカメラマンが慌てる場面がある。試合開始直前のコイントスで両チームの陣地(エンド)が変わった時だ。多くのカメラマンは撮影したいチームが攻める側に陣取っている。エンド変更が分かってからキックオフまでの時間は短く、すぐに機材を抱えて反対側を目指す。さらにコロナ禍以降はメインスタンド側の通行が規制されていて、バックスタンド側を遠回りする。

 9日のアウェー広島戦はまさにこのパターンだった。エディオンスタジアム広島の陸上トラックの外側を、テレビ局カメラマンも一緒に走って大移動。この日最も体力を消耗した。

 小欄は写真のコーナーだが、移動する様子を撮影する余裕はなく、リモートカメラの1枚を紹介したい。前半に相手FKをGK朴一圭が好セーブした場面。通常は鳥栖が攻めるゴール裏にカメラを設置しているが、反対側に置きっ放しになっていたので、頼もしい背中が写っていた。

 日差しや風向きなどを考え、コイントスでエンドが変わる試合は珍しくない。その度に、もう少し余裕をもってコイントスしてくれないか、と思ってしまう。(写真と文・米倉義房)