「佐賀の風景を楽しんでほしい」と話す山田直行さん=佐賀市白山2丁目の杉町菊水堂

 天山、バルーン、季節の花々が会場を彩る。神埼市の洋画家山田直行さんが、佐賀市白山2丁目の杉町菊水堂で個展を開いている。2020年まで19年間、風情豊かに県内の名所を描いた佐賀新聞の連載「ふるさとスケッチ」の原画を中心に約20点を紹介している。30日まで。

 徳川家康に重用された僧侶、閑室元佶(かんしつげんきつ)が開山した三岳寺の早春を描いた作品は、年数を経て倒れるように横に伸びゆく梅が花を咲かせ、寺にも負けない存在感を放つ。家庭菜園で収穫した二十日大根、肥後ツバキなど明るい静物画も並ぶ。

 色とりどりのバルーンが浮かび、遠くに長崎線の特急として親しまれた「白いかもめ」の姿も収まる一枚も。山田さんは「絵の中に電車があると小さな子にも喜ばれてね」と振り返り、「原画を見たいという声をいただき、開いた。多くの人に見てもらいたい」と話す。月~土曜(午前10時から午後7時)、日、祝日(正午から午後5時)。(福本真理)