9日に投開票される佐賀県議選で、選挙関係者は低投票率を懸念している。過去4回連続で最低を更新しており、前回2019年は46・12%と初めて50%を割り込んだ。同じ日程だった知事選が任期途中での現職辞職に伴って改選期がずれて以来、県議選は単独選挙となっている。無投票は前回同様、過去最多の7選挙区で、選挙戦となった6選挙区でみると新人の割合は候補者全体の2割程度。「顔ぶれが代わり映えしないのも、関心が高まらない一因では」との声もある。
佐賀市選挙区は前回と同じく11議席を13人で争う。3月31日の告示直後は「県議選が全く知られていない」とこぼす陣営が目立った。陣営を手伝う市議は「『もう市議選ね?早かねー』と言われた」と苦笑する。
陣営関係者は投票率を「42~45%程度」と見る向きが多く、「40%を切るのでは」との厳しい見方もある。決起大会後にいすを片付けていた市議は「盛り上がってないね。前回と顔ぶれがほぼ同じだから、有権者も関心を持ちにくいのでは」とぼやいた。他の選挙区でも同様に、低投票率を懸念する声が上がっている。
県選挙管理委員会によると、投票率は2003年の70・37%から低下が続いている。07年は66・55%、11年は60・2%、知事選日程とずれて単独選挙となった15年は50・92%に落ち込んだ。これまでの最高は1951年の93・32%だった。
県選管は、投票率が低い傾向にある若い世代を意識して、前回の知事選と同様に、LINE(ライン)やインスタグラム、YouTube(ユーチューブ)などインターネット広告の比重を大きくしている。担当者は「インターネットでの啓発は、若年層も含めて訴求できる」としている。唐津市選管は、18歳の有権者に高校などを通じて県議選の啓発チラシを配布した。
一方で新生活スタートの時期と重なるため、大学生や新社会人などの中には不在者投票や住民票がある自治体での投票の手間を面倒に感じる人も少なくなく、「フォローする取り組みが必要では」と指摘する陣営関係者も。
佐賀地方気象台は、9日の佐賀県内は全域が高気圧に覆われ、「おおむね晴れ」と予報している。(取材班)