流鏑馬の絵画を保存会に寄贈した武雄高美術部員=武雄市の武雄神社

 武雄高美術部の部員11人が武雄の伝統行事、流鏑馬の絵を描き3月27日、武雄流流鏑馬保存会に寄贈した。縦2メートル、横5メートルの大作で布にアクリル絵の具で着色し、表面は防水加工を施した。10月23日の行事の時に、馬場のそばに掲示し流鏑馬の盛り上げに一役買う。

 同保存会が昨年の流鏑馬終了後に、地元の若者に郷土の伝統行事を深く理解してもらいたい、と制作を依頼。1、2年の部員らは写真や映像を参考に構図を決め、今年1月から本格的に制作に取り組んだ。最終的な微調整を含め、寄贈の1週間前に完成した。

 射手(いて)の勇壮な赤い衣装をメインに、市内を練り歩く流鏑馬行列の様子も描いている。部長の渕上廣亘(ひろと)さん(17)は「色合いと構図など行列を描くことが一番難しかった」とし、「流鏑馬の伝統を後世に伝えることに関わることができてうれしく思う」と笑顔を見せた。

 保存会の谷口優会長は「836年の歴史にふさわしい素晴らしい出来栄えだ。見る人の心に深く残ってもらえるものと思っている」と満足した表情を見せた。(澤登滋)