イベントの詳細は大村屋公式HPをご覧ください

 どこもかしこも人手不足の話題が尽きない。嬉野の温泉街もここ数カ月は活況を呈しているが、スタッフの手が足りず満室にできない宿も多いと聞く。食事なしのプランだけ販売しても、今度は掃除をする人がいないといった状況だ。コロナ禍の3年間を取り戻すべく、もっと頑張りたいところだがもどかしい。

 人口減少はそう簡単には止まらない。元に戻そう、増やそうは現実的ではない。人口の減少を受け入れ、その現実の中でこれからどういう生き方、働き方ができるのかを模索しないといけない。良い意味で「閉じていく」ことも考えなければならないと思う。

 大きな国家や政治の問題に対して関心を持つことは大事だが、一市民には問題が大きすぎる。それよりも、私たちが考え行動しなくてはいけないことは自分達が生活している家族やコミュニティの存続だ。助け合える仲間や支え合う家族、親族を育むことが、急速な人口減少時代をサバイブする大切な要素だと感じている。

 約一年前に東京から佐賀へ移住してきた写真家の刑部信人さんが「佐賀に暮らし困ったこと。」という本を出版し各所で話題だ。これは、刑部さんが「佐賀のことを早く知りたい、佐賀の人たちと話をしたい」という思いから、出会った人たちに「困ったこと」を聞いてまわったことをまとめた本だ。佐賀の「嫌なところ」ではなく「困っていること」というニュアンスのおかげか、ネガティブになり過ぎず楽しく読める。

 4月2日に旅館大村屋でこの本の刊行記念座談会を開催することになった。自分の暮らしの中で困ったことを誰かと共有すること。他人事を自分事にすること。みんなで解決方法を考えてみること。一人ではできなかったことも、誰かと一緒ならできるかもしれない。そんなことをみんなで考える場にしたいと思っている。みんなで支えあって生き抜きましょう。

刊行記念座談会の詳細はコチラ