修学旅行の受け入れ家庭を募るチラシ

 杵島郡白石町は「田舎暮らし」が体験できる修学旅行を誘致する取り組みを始める。交流人口を増やすと同時に、県外の子どもたちに農業や自然豊かな白石を知ってもらうことでさまざまなつながりを期待する。来年秋からの実施を目指し、100人程度の受け入れ態勢をつくるために協力家庭の募集を始めている。

 町は2016年度策定の観光振興基本計画に、白石ならではの生活体験ができる観光施策として「農漁村体験ツーリズム」を盛り込んでいた。新型コロナウイルスの流行で中断していたが、町内の観光会社と連携して始動することにした。

 計画では中学、高校を対象に春や秋などに1、2泊程度を考える。1家庭に3、4人を受け入れ、家庭ごとに農業体験や地元産品を使った料理やおやつ作りなどそれぞれの“白石暮らし”メニューを用意する。体験後は宿泊し、夕食と朝食を振る舞う。受け入れ人数に応じて支払う料金は今後決める。体験、宿泊だけが可能な家庭も募っている。

 県農業経営課によると、県内では唐津・玄海地区や伊万里地区でNPOらがグリーンツーリズムの一環で農業体験などがある修学旅行を企画している。新型コロナで減少していたが、今春から復活傾向もみられるという。

 計画を進める白石町観光推進協議会(事務局・町商工観光課)は「先行地では年賀状のやりとりや家族での再来訪など、つながりが続くケースもあると聞く。白石のファンになってもらい、農畜産物など町の物産の購入やふるさと納税などにもつながれば」と期待している。まずは30件程度の協力家庭確保が課題になる。(小野靖久)