
佐賀新聞社主催のシンポジウム「鉄路の行方~地域と交通を考える」が25日、佐賀市兵庫北のメートプラザ佐賀で開かれた。2022年2月から始まった連載「鉄路の行方」の掲載終了に合わせたシンポジウムで、鉄道に詳しい放送大教授の原武史氏の基調講演「西九州新幹線から考える日本の鉄道」と、国土交通省鉄道局次長や沿線住民らによるパネルディスカッションを詳報する。
(宮崎勝、円田浩二、樋口絢乃)
「西九州新幹線から考える日本の鉄道」 原武史放送大教授基調講演

パネルディスカッション詳報

連載「鉄路の行方地域と交通」全7章の計57回掲載 2022年2月から23年3月まで

九州新幹線長崎ルート
1973(昭和48)年の整備計画には、福岡市と長崎市を結び、主要な経過地は佐賀市付近で、鹿児島ルートと筑紫平野で分岐すると記されている。2022年9月に開業した西九州新幹線はこのうちの武雄温泉-長崎(約66キロ)で、武雄温泉-新鳥栖(約51キロ)は在来線を利用している。武雄温泉で対面乗り換えをする。車輪の幅を変えて在来線と新幹線の両方を走ることができるフリーゲージトレインは開発途中で頓挫したため、国やJR九州は、在来線区間のフル規格整備が望ましいとしている。佐賀県は大幅な負担増や利便性の低下を招くとして反発。新鳥栖-武雄温泉の整備方針を巡り、国交省と佐賀県による「幅広い協議」が続いている。佐賀県の求めに応じて、国交省が建設費や所要時間を比較したルート案には、(1)佐賀駅経由(2)佐賀市北部経由(3)佐賀空港経由の3案がある。