カフェでの勉強会。テーマは「自分とは何者か」

 1カ月も前に鶯(うぐいす)の初鳴きに会い、気づくと菜の花や水仙の黄色、白木蓮やコブシの白い花々に囲まれて、今春はなんだか季節が早いぞと慌てている。

 と思いつつも、糸島の禅寺でアイヌ刺繍展を堪能し、カフェ燈台では仏教のそもそものお話会で質疑が盛り上がり、心の栄養は満タンだ。

 3月は集落での農事が始動する。

 地域ごとに田んぼをとり囲むワイヤメッシュや土手が冬の間に猪(いのしし)に荒らされていた。個人ではどうにもいかない箇所を皆で修繕するのだが、今年は特にひどくて、パワーショベルも出動となった。

 共同使用している農業機械のメンテナンスも大切な仕事だ。エアフィルタの汚れを落とし、エンジンやミッションなどのオイル類を皆で交換する。

 そして水路の泥上げ、草刈りの終日作業もあった。田んぼ利用者のほぼ全員が参加した。山間部の水路は山の川から引いてくるので、かなりの泥や落ち葉がたまっている箇所がある。一農家ではできないことも、皆で行うとなんとかなるものだ。

 このような下準備の仕事を行っていくと、冬にこわばった体がちょうどよく動くようになるものだし、これからのさまざまな農作業へ、心が整っていくのを感じる。

(養鶏農家・カフェ店主 小野寺睦)