佐賀県は28日、処方箋の交付を受けていない薬剤師などに処方箋医薬品を販売する医薬品医薬機器等法違反があったとして、らいふ薬局医大通り店(佐賀市)と運営会社のナチュラルライフ(同市、海老澤修社長)に行政処分を行ったと発表した。同店を29日から4月2日までの5日間、業務停止処分とする。

 県薬務課によると、2019年7月から22年11月までの間、同店に勤務する薬剤師2人と事務職員1人に、処方箋がないのに睡眠薬や高血圧治療薬などの処方箋医薬品を販売した。薬剤師の2人は同店の管理者も務め、さらにうち1人は同社で薬事を所管する役員にも就いていた。販売した薬は15種類で、錠剤とカプセルを合わせて1300個以上に上る。

 同社が22年12月に実施した内部監査で違反が発覚し、県に報告した。健康被害の報告はないという。同社は再発防止策として県内7店舗で、場合によっては処方箋が必要のない薬を含め、従業員への医療用医薬品の販売を取りやめた。(江島貴之)