世界カデ選手権3位の実力を見せつけた。柔道女子無差別級決勝で中野弥花(佐賀商)は強気の攻めを貫き、初めて高校王者に輝いた。「目の前の壁をぶち破ることができた」とうれし涙を拭った。
昨年8月の世界カデでは自分より一回り以上大きい相手と対峙(たいじ)した。「あの時より大きな選手はいない」と、自信を持って初戦の2回戦から順調に4試合を勝ち上がった。
迎えた決勝。井上安弘監督から「落ち着け」と制止されるほど、開始直後から強気で攻めた。1分21秒。払い腰が決まり、頂点をつかみ取った。
昨夏の全国総体は2位。直前の試合で頂点に立った一つ先輩の水間仁子に続こうと「浮き足立ってしまった」と、悔しさを味わった。この日も63キロ級の清水優陸が目の前で優勝したが、経験を生かし「とにかく自分の戦いに集中」と気を引き締めた。
21日は連覇が懸かる団体戦。中野は「やれるだけのことはやってきた。周りの仲間は強い。日本一を取りに行く」と言い切った。(小部亮介)