似顔絵や世相を反映した風刺漫画などが並ぶ会場=佐賀市の佐賀県立美術館

戦争終結への願いを込めた岩本しんじさんの風刺漫画=佐賀市の県立美術館

 九州在住の漫画家やイラストレーターでつくる九州漫画の会の作品展「第19回 Q漫展」が、佐賀市の佐賀県立美術館で開かれている。ロシアによるウクライナ侵攻、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)といった世相を描いた風刺漫画や似顔絵など172点が並ぶ。19日まで。

 久保田満さん(佐賀市)は卒寿を記念して56点を寄せた。作品「値上げ」は、天然ガスなどが入った籠をロシアの国旗をまとった人物が高く上げ、買い物中の女性の手が届かずに家計泣かせの物価高を描写する。

 会長の井上信宏さん(佐賀市)は、WBCで日系選手で初めて日本代表入りしたラーズ・ヌートバー選手をユーモアたっぷりに、岩本しんじさん(福岡県)は“なかなおり(してほしい)大会”の表彰台で手を取り合うウクライナとロシアの大統領を描き、戦争終結の願いを込める。

 会場ではチャリティー似顔絵コーナー(500円以上)も設けている。井上さんは「見過ごしがちなシーンをそぎ取り、表現している。楽しんでもらいたい」と話す。(福本真理)