溶接の技術を競う佐賀県女子溶接技術大会で、嬉野高(嬉野市)の機械科2年の武富あゆなさん(17)が、被覆アーク溶接部門で優勝を果たした。唯一の高校生として出場した大会で難易度の高い課題を突破し、社会人を抑えて栄冠をつかんだ。
大会は昨年11月、佐賀市の県工業技術センターで開催され、被覆アーク溶接部門には武富さんや溶接の国家資格を持つ社会人ら6人が出場した。垂直に設置した鋼板2枚の溶接が課題となり、武富さんは溶けた鉄が重力で落ちないよう気を付けながら丁寧に仕上げた点が評価されたという。
「ものづくりが好きで、この高校なら溶接ができると思って入学した」と振り返る武富さん。機械科は女子が1人だけで、大会に向けて3カ月前から部活動の時間に特訓したという。「溶かした鉄を均等に盛るところが難しいけれど、上手に溶接ができたときはやりがいを感じる」と笑みを浮かべる。
これまで“男性の職場”とされてきた溶接業界も、女性が増えているという。武富さんも「将来は溶接関係の仕事に就きたい」と語る。(山口源貴)