鳥栖市長の橋本康志氏(67)が14日、任期満了を迎えて退任した。2007年から4期16年の市政運営を「鳥栖駅周辺整備に道筋をつけられなかったのは残念だが、それ以外の大型事業はめどがつけられたのでは」と振り返った。
橋本氏は、食品会社社長を経て07年の市長選で初当選した。在任中は11年に新鳥栖駅が開業、サガン鳥栖がJ1昇格、13年には九州国際重粒子線がん治療センター(サガハイマット)が開所した。
同日の記者団との懇談で、橋本氏は「鳥栖をどれだけ向上させられるかという思いでやってきた」とし、サガハイマット誘致は「多くの方に光を与えることができたかな」と語った。
九州の中心という立地から「職員には『佐賀県』と『九州』という物差しを両手に持って、鳥栖の役割を考えてほしい」と求めた。
退任式などのセレモニーは固辞し、歩いて帰宅した。退庁時間には職員、市議、支援者らが玄関前で花束と横断幕を持って出迎え、16年の労をねぎらった。
新市長の向門慶人氏(52)の任期は15日から4年間。(樋渡光憲)