九州電力は13日、来年3月に運転開始から30年を迎える玄海原発3号機(東松浦郡玄海町)について、30年を超える運転に必要な保安規定の変更許可を、原子力規制委員会に申請した。現在の安全対策に一部を追加すれば機器や構造物の健全性が確保されるとしており、中性子照射による原子炉容器の劣化を調べる検査の実施を検討する。
原子炉等規制法は30年を超える原発に対し、10年ごとに設備や機器の老朽化を考慮した管理方針の策定を義務付けている。九電によると、原子炉や原子炉格納容器など評価対象となる機器約4千点を抽出。コンクリート強度の低下など劣化の恐れのある事象について稼働60年時点での状況を想定し、現在の安全対策で健全性が確保されるかを評価した。
その結果、日常的な運転監視や計画的な点検など従来の安全対策に加え、中性子照射による劣化調査の実施検討などを追加する。原子炉容器内部には、原子炉と同じ材料でできた試験片を取り付けており、定期的に取り出して調べている。3号機ではこれまでに1996年、2004年、19年の3回実施している。(江島貴之)