鳥栖市江島町の住宅で両親を殺害した疑いで佐賀県警が逮捕した長男は、19歳だった。昨年4月に施行された改正少年法では18、19歳を「特定少年」と規定し、起訴された場合は、実名報道や顔写真の掲載が法的に可能になっている。
特定少年は、18歳と19歳が民法上成人になったことから設けられた。実名や顔写真など本人が推測されるような報道は禁止されているが、特定少年が起訴された場合、その時点で氏名を公表するかどうかを検察が検討する。このため、警察の逮捕段階では匿名での発表になっている。
最高検は、特定少年の氏名公表基準を「犯罪が重大で、地域社会に与える影響も深刻な事案」などとしており、典型例として裁判員裁判対象事件を挙げた。殺人罪は、裁判員裁判の対象となる。
改正少年法を巡っては、山梨県甲府市で夫婦が殺害された事件で、甲府地検は昨年4月に殺人と現住建造物等放火などの罪で19歳の男を起訴し、初めて特定少年の氏名公表をした。
一方で、制限速度を超えた運転で事故を起こし、同乗者を死亡させたとして、新潟地検が自動車運転処罰法違反の危険運転致死罪で在宅起訴した男子大学生(19)は非公表だった。