衆院国交委員会で着工に同意した前佐賀県知事でもある立場から答弁する古川国交政務官=国会内

 整備方式を検討している九州新幹線長崎ルート新鳥栖―武雄温泉に関し、着工同意当時、佐賀県知事だった古川康国交政務官が10日、衆院国土交通委員会で答弁に立ち、「(西九州新幹線が)リレー方式という形で開業したことは残念に思う」と述べた。当時の開業計画から変わった佐賀県の置かれた立場に触れつつ、関西直通となる整備を進めるべきとの認識を示した。

 立憲民主党の末次精一氏(比例九州・佐世保市)が「着工当時に佐賀県知事だった古川政務官にあえて聞きたい」として、整備方式の議論が膠着(こうちゃく)している現状について所感を尋ねた。

 古川氏は「昨年9月に西九州新幹線が開業し、多くの乗客でにぎわっている様子を見ると、良かったと正直に思う」とした上で「私が着工同意した当時は、フリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)で新大阪まで直通するという前提だった」と述べ、当時の計画と異なる形での開業について「残念」と語った。

 今後の整備方式に関し、「現状でも多くの乗客がいることを思えば、関西直通を目指さなければならない」としつつ「(佐賀県は)FGT整備を前提に着工に同意した。しかし、開発を断念せざるを得なくなった。こうした大きな変化があることも、大きな要素として理解しなければならない」と述べ、佐賀県側と協議を続けていく考えを示した。(山口貴由)