佐賀県内の児童養護施設や里親家庭で育ち、高校を卒業する生徒たちを応援しようと、佐賀善意銀行(頭取・中尾清一郎佐賀新聞社社長)が設けている「巣立ち応援基金-籏嵜(はたさき)・石丸基金」の贈呈式が9日、佐賀市の佐賀新聞社であった。進学や就職で新生活を迎える16人に、出席者からエールが送られた。
同基金は、佐賀市内の小学校で35年間教職を務めた故籏嵜華枝氏と、ろう学校で九州初の幼稚部設置に尽力した故石丸正光氏の預託金で運営している。贈呈は4回目で、大学などに進学する6人に30万円、就職する10人に20万円が贈られる。
式で、運営委員長の田中稔・佐賀新聞社営業局長から贈呈証書を受け取った生徒たちは「自分と同じ境遇の子どもたちを支援できるような大人になりたい」「立派な教師になるために頑張る」と、それぞれ抱負を語った。県総合福祉センターの藤本武所長は「これまでいろんな事情や悩みがあったと思う。それぞれの場所で新たな出会いを大事にしてほしい」と呼びかけた。(鶴澤弘樹)