佐賀県医療センター好生館(佐賀市嘉瀬町)は8日、職員が申請していない時間外労働が昨年4月以降に449人分で約1万3千時間あることが分かり、佐賀労働基準監督署から是正勧告を受けたと発表した。時間数相当の計約3300万円の手当てを31日付で職員に支払う。

 好生館は昨年12月、職員の休憩時間に関して労働基準法違反があったとして佐賀労基署から是正勧告を受けた。また、受理した指導票では労働時間の適正な把握などを求められていた。

 好生館が確認したのは昨年4月~12月の未申請分。電子カルテの記録などを踏まえ職員に確認と申請を促した。人数の内訳は看護師・助産師312人、医療技術者ら76人、一般事務など47人、医師8人、教員6人。結果を今年2月28日に佐賀労基署に報告し、同署から3月7日付で是正勧告を受けた。

 今後、育休中の職員らも調査し、人数や金額が追加される可能性がある。

 好生館は勤務時間管理の改善に向け、各部署の責任者に研修を実施し、相談窓口を総務課に設ける。樗木等理事長は「日々の就労状況を適正に把握することで、より一層の職場環境の改善と労務管理の徹底に努める」とのコメントを出した。(円田浩二)