唐津市七山の樫原(かしばる)湿原で7日、枯れ草を焼き払う恒例の野焼きが行われた。湿地の保全が目的で、草木が生い茂り、陸地になったり森林化するのを防ぐ。湿地内の遊歩道や外側の道路からバーナーで火を放つと、バチバチと音を立てて燃え広がり、一帯を黒く染めた。
樫原湿原は標高約600メートルの気候と水環境が独特の生態系をつくり「九州の尾瀬(おぜ)」とも呼ばれる。野焼きには地元の桑原地区の住民とボランティアら約20人が参加。燃やす範囲の境界に水をまいたり、杉の葉を火消しに使いながら、約2時間かけて作業した。
空気が乾燥し、県内で火災が相次いでいることもあり、飛び火などに十分注意した。桑原地区の石川勇治組長(61)は「天気がよくて風がなく、絶好の条件でこの日を迎えられた。けが人がなく無事に終えることでき、ほっとしている」と話した。(写真と文・米倉義房)