国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のナッケン・鯉都(りつ)駐日首席副代表が7日、佐賀県庁を訪れ、ウクライナ避難民の受け入れなどに関して山口祥義知事と意見交換した。ロシアのウクライナ侵攻を契機に難民問題にも焦点が当たる中、幅広い対応につなげられるよう、連携を深めることを確認し合った。
山口知事は、CSO(市民社会組織)などと連携し、これまでにウクライナ避難民15組33人を受け入れたことを紹介。他国に比べ日本が難民問題の取り組みが遅れていることに関しては「日本人は国境に対する意識が弱い。わが事として問題を知ってもらうのが大事だ」との考えを述べた。
ナッケン氏は、行政とCSOが協力して支援に当たっている県内の状況を「先進的な試み」と評価。ウクライナだけでなく、イスラム教徒少数民族ロヒンギャなど、世界中で移住を強いられた人が昨年1億人を超えたことにも触れ、「ウクライナに対する関心をきっかけに、日本国内でも難民問題を知ってもらえたら」と話した。その上で、国内の自治体で作る「難民を支える自治体ネットワーク」に参画するよう山口知事に提案した。(大橋諒)