佐賀北高(佐賀市)の芸術科美術専攻の卒業制作展と美術部1、2年生の展覧会が、同市の佐賀県立美術館で開かれている。卒業生20人と在校生48人が、高校生活の思いを込めた絵画や彫刻を並べている。12日まで。
3年生は芸術科16人と普通科の美術部員4人が、各約4メートル幅の壁面を独自の世界で彩った。大曲恵菜さんは、佐賀美術協会展で山口亮一賞を受けた油彩画「寄生」に双眼鏡を添え、描かれた微生物の世界に没入できる仕掛けをつくった。
1、2年生はポスターやデッサンなどを並べた。2年の山口心寧さんの油彩画「生まれおちる」は部員らによる喜怒哀楽の表情をザクロの実に見立てた。2年の渕上明生さんは「それぞれの作品の意図を考えながら見てほしい」と話す。
3年の部長の於保なのはさんは「コロナ禍で、ドラマや漫画を見て思い描いていたような高校生活ではなかったが、その分制作する時間が多く取れて、マスクに隠れて伝えられない思いを作品に込められた」と語った。(花木芙美)