喫茶店「ルパン」の宮木真得さんと坪庭

 48年続く佐賀市の喫茶店「ルパン」は、店内がレトロ風で広々とし、格調高い調度品に囲まれている。坪庭を眺めながら、ゆったりとした時間と気分を味わえる。

 マスターが2年前に亡くなり、妻の宮木真得(まさえ)さんが引き続き経営している。骨董(こっとう)好きのマスターが収集した、古代中国の焼き物や古い時計、昔のアイロンなどの品々が飾られている。1000冊以上ある漫画本も中高年に好まれる島耕作シリーズや、若者に人気の「キングダム」などがきれいに並べられている。

 常連客も多く、マスターの同級生たちや親子3代で通っている人もいる。落ち着いた雰囲気を気に入って訪れる文学関係の人も多い。宮木さんは「夫の面影と一緒に過ごしています。働いていたほうが張りが出ますので、元気な間は続けたいと思います」と話す。

 (地域リポーター・上原和恵=佐賀市)