オンライン形式での古賀絹子さんの講話に耳を傾ける子どもたち=みやき町の三根東小

 登校中の小学生6人が亡くなった筑後川の「天建寺渡し船転覆事故」から73年目を迎え、6人が通っていた三根東小(みやき町)で命の大切さを考える集会があった。全校児童が遺族の話に耳を傾け、命や周りの人を思いやることの大切さを学んだ。

 転覆事故は1950(昭和25)年2月13日午前8時10分ごろに発生した。小中学生や教諭ら45人が乗った渡し船が突風にあおられて転覆。冷たい川に投げ出され、児童が命を落とした。

 講話はオンライン形式で実施した。当時3年生の弟を亡くした古賀絹子さん(93)=佐賀市=が、母親の様子や事故から23日目に見つかった弟の姿を振り返りながら「73年たったが、一日も忘れたことはない。自分のものだけではない命を大切にして」と涙ながらに訴えた。

 6年の貞包咲都さんと大川舞里亜さんは「話を聞いて胸が締め付けられそうになった。命の尊さをかみしめたい」と話した。(井手一希)