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玄海原発プルサーマル 不安を取り除く努力を(2月28日付)

 九州電力が玄海原子力発電所3号機(東松浦郡玄海町)で進めるプルサーマル計画は、佐賀県と同町がプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の海上輸送を了解したことで今秋実施の可能性が高まった。国内第1号になる見通しだ。国が進める「核燃料サイクル」の柱となるものだが、県民にはなお不信感がある。国や県、九電は県民の不安や疑問を取り除く努力をもっとしてもらいたい。

 プルサーマルは、原発で使用済みとなった核燃料を再処理して核物質のプルトニウムを分離し、ウランと混ぜたMOX燃料を、普通の原発で再び燃やす発電法。エネルギー資源の乏しい日本は電力供給の3割を原発が担っている。日本には「プルトニウムは保有しない」との方針があり、原発が稼働する限り増えていくプルトニウムを、ごみとして捨てるのではなく、資源とする核燃料サイクルを、国は原子力政策に掲げる。国は「1-2割のウラン資源が節約できる」としている。

 核燃料サイクルの流れは、青森県六ケ所村の再処理工場(試験運転中)で原発の使用済みウラン燃料を処理してウランとプルトニウムを取り出し、同村で建設計画中の燃料加工工場で新たにMOX燃料を製造する-となっている。だが、国内再処理工場は完成時期が当初計画から10年以上も遅れており、現在、再処理は国外に依存。再処理後に出る高レベル放射性廃棄物の最終処分施設は設置のめどすらたっていない。

 核燃料サイクルのもう一つの柱である「もんじゅ」(高速増殖炉)は事故で長期停止が続き、国はプルサーマルを頼みの綱にしている。玄海での初稼働に見通しが立ったことは大きな意味を持つ。しかし、国内で使用例のない核燃料を県内に輸送して燃やすことには不安の声がある。

 市民団体は「MOX燃料の製造検査結果データが公表されていない」「輸送容器の安全が確認されていない」と訴える。九電や県は、データはフランスの燃料加工会社の企業機密、ノウハウがあって公開できないことや、容器の安全性について国にただして問題ないとしている。だが、通り一遍の回答ですませるのではなく、丁寧な説明が欠かせない。

 プルサーマルにはMOX燃料の製造、輸送で多額に費用がかかり、燃料コストがウラン燃料を燃やすより割高になるとの問題点も指摘されている。核燃料サイクルは課題が多いが、国策で進めている以上、もっと国が前面に出て住民の不安を取り除くよう、説明責任を果たすべきではないだろうか。

 県も、国に電力会社などに対してもっと厳しい指導監督を求めていく姿勢を示してほしい。何から何まで国まかせでいいわけはなく、理解を広げる努力を惜しむべきではない。

 過去の事故や不祥事が、原発に対する不信感が消えない一因にもなっている。プルサーマルについても当初、東京電力、関西電力が先行していたが、トラブル隠しや燃料データ改ざんの影響で中断した。その結果、玄海が先頭に躍り出た。電気の恩恵を受けて暮らしている私たちだが、県民の間にさまざまな不安があることを、いま一度みんなで考えたい。(横尾 章)

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