意識と知識、分かりやすく
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さわの・かよこ 1949年生まれ。72年に県庁に入り、健康・栄養部門を担当。2005年3月、鳥栖保健所健康栄養推進課長で退職し、同年4月から西九州大教授。県医療審議会、農政審議会委員などを務める。佐賀市。
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「家庭はいま」をテーマに食の現状を描いてきた第1部。食の問題をどうとらえ、どう解決していけばいいのか。西九州大健康栄養学科の澤野香代子教授に聞いた。
□家庭の「食」の変化、問題をどうみているか。 ■共働き世帯の増加や核家族化、競争社会による労働時間の過重などで大人の生活リズムが遅くなり、子どもたちが犠牲になっている。食は家庭が基本。私たちの世代は調理の手伝いをしながら学んでいたが、今は伝えるべきことが家庭で伝わっていない。食は命をつなぐもの。食育は食を通し、命をつなぐための力、知恵を伝えるものだ。健康で「やりたいことができる」という自己実現のためにも、いま一度、食が心と体をつくっていることを感じてほしい。
□取材を通し、若い人たちが料理をしなくなった感じを受けた。
■料理の楽しさを知らないからだと思う。料理には「物事をうまく処理する」という意味があるが、食材を調理し、味を整える一連の過程で合理性や創造性が身についていく。また、「理」と書かれているように、理科実験的な面もある。例えば、卵一つとっても茶わん蒸しやムースなど多様に変化する。子どもたちは興味を持つはずだし、幼児期から五感をしっかり使って体験させることが大切だと思う。
□忙しい家庭は「安さと簡便さ」に流されがち。どう思うか。 ■安さを追求することは、決して悪いことではない。最盛期の農産物は安いし、栄養価も高い。そこは利用したいし、生産者も「旬の情報」を提供していくべきだ。簡便さも否定しないが、栄養バランスは心掛けたい。仮に総菜だけ並べるにしても、ご飯とカツだけでなく、ホウレンソウのごまあえを添える。総菜売り場では「今夜のお薦め」として、そんな組み合わせを提案してほしい。時間がある休日には魚や野菜を使ったメニューを提案する。バランスを提起するだけでなく、実践してもらう仕掛けが必要だ。
□家庭の食の乱れを解決する方法は。プライベートな問題で行政も踏み込みにくい面があるが、どうすべきか。 ■家庭の忙しさを解決するには家事の役割分担は大切だし、企業側にも家族だんらんの日を設けるなどの理解が求められる。ただ、食は結局、個人の心掛け次第。食の重要性を認識し、実践してもらうには、なぜそうしなければならないのかという知識も必要だ。「意識」と「知識」。これを分かりやすく提供していきたい。単に言うだけではなく、分かりやすく体験する機会をつくりたい。
そのためにも地域ぐるみで取り組むことが大切。行政、保育園、幼稚園、学校はもとより、子どもクラブや公民館など地域になじんだ場所で食育を実施すれば、参加者が家庭を振り返るきっかけにもなる。幸い、食育推進全国大会を控え、ネットワークが広がっている。それぞれの団体が得意とする分野で支援の輪を広げていきたい。=第1部おわり=
(中島義彦、岳英樹、川崎久美子が担当しました。第2部は3月中旬からの予定です)
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