| トップ |第5部 |第4部 |第3部 |第2部 |第1部 |序章 |特集 | ||
| 第1部 家庭はいま<4>多忙化の中で (10年2月3日) | ||
工夫を重ねても限界
日曜の夕方、買い物客でにぎわう佐賀市の大型店。店内の一角にある「ABCさがクッキングスタジオ」で、4人の女性が「スピードクッキング」に挑戦していた。メニューはホタテを使ったシューマイやチャーハンなど4品。1時間で作り上げると、一緒に試食。「おいしいし、ボリュームも十分」。4人がうなずき合った。
共働き世帯52% ABCスタジオはパン、ケーキ、料理の3コースがある。少人数指導と好きな時間帯を選べるのが特徴で、佐賀教室の生徒数は千人を超える。料理コースの中で人気を集めているのが「スピードクッキング」だ。
県内の共働き世帯の割合は52・9%(2007年就業構造基本調査)。収入増、やりがいなど理由はさまざまだが、他県より割合は高い。以前に比べると資格をとり、キャリアを重ねる女性も増えてきた。
その分、責任の重さが増し、「仕事と家庭の両立」がますます大変になっている。最近は景気が厳しく、「休みをとることはもちろん、定時で帰るのさえ気が引ける」との声も。帰宅が遅くなり、家事の時間がますます削られていく。
佐賀市の稲葉悦子さん(41)=仮名=は夫(41)と小学生の子ども3人の5人家族。次男が生まれた後、福祉関係の仕事に再就職した。以来10年間、共働きの生活だ。
午前6時に起き、夫と自分の弁当、子どもたちの朝食を用意する。全員を送り出した後、8時15分に出勤。いつの間にか自分の朝食は作らなくなっていた。帰宅は午後7時半。冷蔵庫の中を見てメニューを決め、手早く料理するが、食べ始めるのは1時間後になる。
洗濯は夫の担当
少しでも時間を節約しようと、食器洗い機を使っている。買い物に行く時間はないため、毎週金曜日に1週間分の食料を生協に注文する。洗濯は夫の担当だ。そんな工夫を重ねても、ゆっくりできるのは午後11時ごろという。
不景気も重なり、社会全体が余裕をなくしている現代。稲葉さんは「料理は好きだし、家族に必要とされているから頑張れる」と話すが、多忙化のしわ寄せは確実に各家庭に現れ始めている。
子育てと仕事を両立している女性(38)は「長く家事をやっていると、『きょうはまあいいか』と思う時が誰にだってある。問題は、その回数が増えていること」と率直な思いを語る。そして、「前向きに頑張る人とそうでない人の差が、ますます広がっていくのでは」。そうつぶやいた。
【写真】「スピードクッキング」が人気を集めている料理教室=佐賀市のABCさがクッキングスタジオ |
||







![renewal_buhinai_01[1].gif](/var/rev0/0156/1280/200873022453.gif)






