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わたしの視点<5>栄養教諭・古賀路子さん (10年1月6日)
写真
こが・みちこ 1970年佐賀市生まれ。長崎県立女子短大食物栄養学科卒。学校栄養職員(県職員)として田代小、鳥栖北小などに計16年勤務した後、2005年に栄養教諭の免許を取得した。08年度から中原小に勤務。
 □食の安全、食料自給率など食を取り巻く課題は多い。その中でも最も課題と感じることは。


 ■「飽食」を挙げたいと思います。今や食べられることは当たり前。空腹を感じない子どもが増えている。給食もガツガツ食べず、「今食べなくても、どうにかなる」といった感じ。給食が始まった戦後は食料不足で、栄養をいかに取るかが課題だった。今はベクトルが逆。食べ物があふれる中、「カラフルでおいしそう」という見た目に引きずられず、体に必要な栄養を取るために「見る目」を養うことが大切です。


地域と連携の成果


 □佐賀県で、給食食材の地場農産物が占める割合(重量ベース、2008年度)は49%。この数字をどうみるか。


 ■鳥栖市内の学校に勤務していた時、地域全体で食育に取り組む「食ネット鳥栖」に参加しましたが、地域との連携が、この数字を実現させていると思います。初めて学校に勤めた1992年ごろ、地場農産物の割合は、感覚的にですが、10~20%だった。増やす意義は感じても「難しい」が本音でした。


 給食に地場農産物を取り入れる仕組み作りの鍵は、難しい「システム」の構築ではなく、生産者と学校が互いの事情を知ること。例えば生産者は、市場で規格外となる大きな野菜を学校に持ち込むことをためらっていたが、学校からすれば、どっちみち細かく刻んで使うので問題なし。細かく情報交換を続けた結果、野菜が豊富な時期は、地場農産物の割合が8~9割にまで伸びています。


野菜少なく便秘に


 □学校で食育を推進するため05年度から”食の専門家”栄養教諭の制度が始まった。現在、県内の小中学校には8市5町に13人、県立学校に3人、県教委に1人の計17人が配置されている。栄養教諭の役割や、気付いたことは。

 

 ■低学年であれば、食事の大切さや食べることの楽しさに重点を置き、高学年では家庭科の献立作りから実習までかかわっています。制度ができて4年目。栄養教諭それぞれが模索している最中ではありますが、学校にいるからこそ、計画性や継続性が発揮できる。


 給食の時間、コロッケの具材として使ったみじん切りのニンジンなどの野菜を、一つ一つ除いて食べる子どもの姿に驚いた。野菜が少ないからか、排便が4~5日に1回しかないなど、便秘に悩む子どもも増えています。


 □6月には佐賀県で全国食育大会が開かれる。どんなことを発信したいか。


 ■ある学校で、家庭の食事調査をしたところ、「なぜ食卓までのぞかれるのか」という意見が保護者から寄せられたと聞きました。「食は大事」という大まかな方向性は一致していても、実践となると難しいのが現実。朝食の欠食率を尋ねて「食べてくるように」と指導してもあまり意味はない。塾や習い事などで就寝時間が遅くなり、その結果、早く起きることができずに朝食を食べる時間がないのか、保護者の働く時間帯が深夜に及び、作ってもらえないのか…。その背景を知った上での対策が必要でしょう。


 食は単純に食べるだけの行為ではなく、生活習慣を反映したり、苦労して作っている生産者らへの想像力を培ったりと、そのまま「生きること」につながる。「地域で子どもを育てる」という具体的な目標に向けて一歩踏み出す。そんな大会になるよう、微力ながら努めたいですね。 =おわり=