消費者にも選んだ責任
|
|
こみや・みか 1971年、岡山県倉敷市生まれ。食への関心が高く、昨年度、普段の買い物中に気づいた点を報告する県の「くらしの安全安心モニター」を務めた。国政、消費者、佐賀市政モニターなどモニター活動も多数。佐賀市。
|
□安全性や品質など食をめぐるいろんな問題の中で、何が最も気になるか。
■問題点ばかりが報道され、いいことや頑張っている生産者の声が届きにくいと感じます。言葉は悪いけど、不安をあおっているようなイメージ。日本の食は他国に比べ品質、価格とも信頼できる。まずは自信を持ち、その上で問題点を改善していく。そんなふうに考えるべきでは。
例えば食料自給率が先進国に比べて低く、対策として「お米を食べよう」といわれる。でも、日本のお米の自給率は100%。ご飯を食べて数値が上がったとしても、輸入がなくなった時、困ることに変わりはない。正しい食の情報、現状を届けてほしいし、消費者も知るべきです。
□昨年度、県の「くらしの安全安心モニター」を務めた。気づいたことは。
■大きな問題はなかったですね。ただ、食品表示の法律は細かく、お店の人は大変だろうと思いました。その半面、消費者が欲しい情報が手に入るような法律かというと、そうでもない。原材料表示は細かく決められているが、書かなくていい場合もある。原産地表示も複雑で、例えば魚を捕った場所が外国の海域であったとしても、水揚げ漁港を産地に表示してもいい。そんなことはモニターをして初めて知りました。
店頭でのやりとり
□偽装表示の問題が全国的にも後を絶たない。県内でも食品表示110番の受付件数は08年で98件と増加傾向にある。どう思うか。
■偽装表示が増えたというより、消費者に情報が届くようになったのだと思います。消費者が考え、ものが言えるようになった。例えば、原産地は基本的に表示されるという情報はかなり浸透してきた。だから、店頭で「何かおかしい」と思った時、お店の人に直接聞くことができる。どこかの行政機関に言うより、そういった店頭でのやりとりが日常的になれば、それはすごくいいことだと思う。
□店頭の食品表示に満足しているか。不足している点はないか。
■情報はきちんと表示されている。ただ、それが正しいかどうか、私たちは調べることができない。そこの保証があればもっと安心かなと思います。直売所では農家の写真が張ってあるけど、作っている場所や農法、農薬使用の有無といった情報も欲しい。具体的な情報や作り手の思いを伝えてもらえれば、応援しようという気持ちも出てくる。売り込みの言葉があればと思います。
作り手側も誇りを
□偽装表示をなくすにはどうすればいいか。また、食の安全安心で消費者が取り組むべき課題は何だろうか。
■偽装の原因には企業側のモラルの問題もあるが、省庁側のチェック機能とプロ意識も問われていると思います。例えば汚染米問題。検査していて問題があったのだから、余計に不安を感じました。チェック機能は悪いところを探すだけでなく、いいところを証明することにもつながる。作り手側も自分の仕事に誇りを持ってほしい。自分がいいと思うから人に薦める。そこが商売の基本と思う。
消費者側からすれば、「食の安全」がどういうことか、一人一人が考えることが大事。情報を集め、中身を正しく判断する。それは「国産はいいけど外国産は駄目」という単純なものではないと思います。安全はすべて他人の責任にできるものではなく、選んだ自分自身にもある。一人一人が安全の意味を知る。そのためにも、「こういうふうに考えたらいい」といった情報や啓発があればと感じています。
|