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わたしの視点<2>フードスタイリスト・マロンさん (10年1月3日)

子どもの孤食、偏食心配

 

写真
 本名板井典夫。長崎県対馬生まれ。唐津市で育ち、唐津東高─大阪あべの辻調理師専門学校。卒業後、上京し、料理研究家などのアシスタントを経て、日本のフードスタイリスト第1号として独立。テレビや雑誌など多方面で活躍中。東京都。
 □食の安全や孤食など食をめぐる問題はさまざまだが、何が最も問題と考えるか。

 

 ■お子さんが1人で食べている姿を想像したら寂しいですよね。何を食べているか、とても気になります。そもそも、食事っていうのは与えられるのではなく、自分で選択できることが大切。1人で食べるとワンパターンになる。それをすごく恐れる。

 

 例えばコンビニで買ったとしてカレーならカレー、オムライスならオムライスだけ。好きなものだけを食べて偏食になるのが心配。お母さんが見てないところだったら勝手にやりますよ、子どもたちは。偏食にならないように、いくつかのものをバランスよく食べることが大事ですね。

 

家庭の味 縁遠く

 

 □県内の外食率(家庭の食費に占める外食の割合)は2003年で約31%。この20年で10ポイント上がっているが、この数字をどう見る。

 

 ■料理の世界でやっていると、今は「家(うち)ご飯」というムードがある。外食は減っていると思っていたので、増えているのは意外でした。ファミレスでも家族連れをよく見ますよね。コミュニケーションがとれている分、孤食よりはいいと思うけど、家庭の味にどんどん縁遠くなっているのではと心配します。僕たちの小さいころはコンビニもなく、当たり前に母親の料理を食べてきた。お母さんの手にかかった料理を食べることはすごく大事。

 

 ある企画で「おばあちゃん定食」を提案した。中身はキュウリの酢の物、ひじきの煮物、レンコンのきんぴら。これが松花堂弁当と同じくらい栄養バランスがとれているといわれた。昔のものって地味だけど、今は結構、そこに戻っているし、みんながいいと思い始めている。朝ご飯に定番食を出すなど家庭の味を大事にしてほしい。

 

 □料理することは大切だが、共働きの家庭は時間がとれず、面倒くさいと思われがち。どうすればいいのか。

 

 ■発想を変えればいい。1、2時間かけて煮るのを面倒と思うのではなく、「その時間はほったらかしていい」と考える。時間がおいしくしてくれる料理ってたくさんあります。手を抜いては駄目だけど、手間を省くことはできる。それと、作った料理をストックする。飽きないように味付けや調理法を変える。料理はイメージ。例えば、お水にすね肉と野菜を入れて煮込む。野菜の形も、大きく切ればいい。そのスープを飲むだけで元気が出ます。

 

普段の料理に工夫

 

 □家庭の台所を見ると、いつの間にか消費期限が切れた食品がある。宴会では大量の食べ残し。そうした「食品ロス」をどう感じるか。

 

 ■例えば家庭に友達を招いたり、お祭りがあったりした時、特別なものを作らない。普段の料理に工夫すればいい。外国人の友達に呼ばれた時、料理は少ししかない。目的はおしゃべりだから。

 

 一人暮らしのおじいちゃん、おばあちゃん向けに「小食」がある。これを進めていくことも大事。僕らが小さい時は食べ物を残すと怒られていた。「もったいない」はすてきな言葉。そこに帰んなきゃ。それが食や健康、環境にもつながっていく。

 

 □最後に料理の楽しさ、面白さを。

 

 ■料理教室ではよく、生徒さんたちに「素材と語り合いなさい」と言っている。素材をよく見つめてあげる。つまり観察する。調味料もそう。まず味見する。料理はすべての五感をフルに使うもの。食は命のクスリ。キーワードは「簡単」「おいしい」「楽しい」、そして「節約」だと思います。食から人生を変えたいし、料理の楽しさを多くの人に知ってほしい。