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| わたしの視点<1>農民作家・山下惣一さん (10年1月1日) | |||
命を人任せにするな
安さで輸入加工食品も売れているが、生産地から口に入るまで距離があるし、いろんな人が介在するので、消費者はリスクを負う覚悟がないといかん。なのに、当然のように「安全なものを提供しろ」と声高に言う。とんでもない心得違いだ。命を人任せにしちゃいかん。調理を普段していれば「こんな値段で作れるはずがない」「おかしい」と気づくことだってできる。
この問題は、家庭の変化も影響しているんじゃないかな。ミカンの消費量はピーク時の4分の1に減っている。これは「食卓から一家だんらんが消えたから」というのがわたしの説だ。リンゴの消費量が落ちたのも、ナイフで果物をむけない人口が増えていることと無関係じゃない。危険予防や犯罪防止でナイフを取り上げてきた子どもたちが、いまや親になっている。
給食に骨を抜いた魚を出すことは”常識”らしいね。講演先で管理栄養士から「いまどき骨のある魚を出したら、みんなのどにひっかけてパニックになる。そうなったら誰が責任を取るんですか」と言われたことがあったよ。 こうしたことは、安全を名目にした責任回避にも映る。市販の弁当から機内食まで社会が一様にそうで、食べる力、生きる力を削いでいるような気がしてならない。日本人の体質は弱ってしまい、海外には携帯食を持たなければ行けなくなるんじゃないか。
児童や生徒が弁当を作り、学校に持参する「弁当の日」はひとつの希望だね。献立や食材購入、調理、弁当箱詰めのすべてを自分でする運動で、全国500校以上に広がっていると聞く。こうした原体験は将来に生きてくる。そこに賛同する親や先生もいるわけで、うれしいじゃない。 |
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