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長崎新幹線6割、肯定的

佐賀・長崎新聞合同アンケート

2017年09月12日 08時47分

新幹線長崎ルートは必要と思うか
新幹線長崎ルートは必要と思うか

 佐賀新聞社と長崎新聞社は、九州新幹線長崎ルートに関し佐賀、長崎県民200人にアンケートを行った。「新幹線は必要か」との問いに対しては両県とも約6割が「必要」または「あったほうがいい」と肯定的な認識を示したが、整備方法では「全線フル規格化」が4割を超えた長崎に対して、佐賀は「全線フル規格化」「リレー方式」「在来線のまま」の三つの選択肢に回答が割れた。「時間短縮効果が佐賀よりも大きい長崎、整備効果を実感しづらい佐賀」という図式が映し出された格好だ。 

 長崎ルートは、導入予定のフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の開発遅れで、7月にJR九州が車両コストなどの問題を理由にFGT導入断念を表明、与党検討委がFGT以外の選択肢も含めた整備方針の検討に入った。こうした状況を受けて、8月下旬に佐賀新聞社と長崎新聞社が合同で県民アンケートを実施。佐賀、長崎県で各100人に聞き取り調査をした。

 「新幹線長崎ルートは必要と思うか」については、佐賀、長崎とも「どちらかといえばあった方がいい」がそれぞれ40%、39%と最多、「ぜひ必要」も佐賀17%、長崎21%で、両方を合わせた「前向きに必要性を認識している層」は佐賀57%、長崎60%に及んだ。

 「どちらかといえばなくてもいい」は佐賀30%、長崎27%で、「全く不要」佐賀10%、長崎11%と合わせた「否定的な層」は佐賀、長崎とも4割程度となり、新幹線の必要性に対する認識は両県で差は出なかった。

 「現時点で、良いと思う整備方法」では、「FGTをあきらめ全線フル規格で整備」が佐賀32%、長崎43%と最も多く、次いで「FGTをあきらめ在来線のまま」が佐賀25%、長崎22%。

 2022年度に博多〓武雄温泉間を在来線特急、武雄温泉〓長崎間を新幹線で乗り継ぐ「リレー方式」で暫定開業することになっているが、「FGT開発までリレー方式を続ける」が佐賀24%、長崎20%に上った。「FGTをあきらめミニ新幹線導入」は佐賀8%、長崎6%だった。

 ただ、全線フル規格化の場合、佐賀県の実質負担が約800億円増えることを説明すると、佐賀で「フル規格化」が4ポイント減って28%に、「リレー方式」が2ポイント増えて26%、「ミニ新幹線」が10%になり、「フル規格化」「リレー方式」「在来線のまま」がそれぞれ25~28%と三つの選択肢が拮抗する結果となった。長崎では回答に変化はなかった。

■細やかな情報提供必要


 恩恵を受けやすい沿線は整備に賛成、ルートから外れた地域は否定的。新幹線問題を語る時、こうした構図を想像しがちだが、佐賀では、沿線ではない多久市や伊万里市などで全線フル規格化が最多となる一方、長崎では新駅ができる大村市で「在来線のまま」の回答が最も多かった。

 利用機会がなければ不要論に傾き、視野を西九州や九州などに広げれば高速アクセス整備の意義に理解を示す。単純に地域性などで語れない複雑な課題であることを浮かび上がらせた。

 長崎ルートは、1972年の計画決定後も多くの曲折をたどってきたが、その時々の状況変化は両県民に十分に伝わっているとは言えない。

 今回最も選択者が多かった全線フル規格化にしても、国はJRからの貸付料を2060年度まで既に当て込んでおり、財源確保の見通しは立っていない。巨額の税金を要するだけに、両県だけでなく国民の理解も必要だと意識しなければならない。

 与党検討委でフリーゲージトレイン以外の選択肢も含めた整備方針の検討が本格化する。方針転換する可能性があるだけに、これまで以上に細やかな情報提供が求められる。県民や国民を置き去りにしたまま議論が先走ることは許されない。


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