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九州北部豪雨 鉄路寸断、復旧見通せず

観光、地域の足に打撃

2017年07月11日 09時09分

大分県日田市の花月川に架かる鉄橋が豪雨の影響で流失し、鉄路が寸断したJR久大線=10日午後(共同通信社ヘリから)
大分県日田市の花月川に架かる鉄橋が豪雨の影響で流失し、鉄路が寸断したJR久大線=10日午後(共同通信社ヘリから)
九州北部豪雨 鉄路寸断、復旧見通せず

 九州北部を襲った豪雨により、JR久大線の大分県日田市の鉄橋が流失し鉄路が寸断されるなど、一部区間で復旧の見通しが立たない。JR九州が誇る豪華寝台列車「ななつ星in九州」も久大線が運行ルートのため、地元では観光への打撃や地域の足への影響を懸念する声も出ている。

 「まだ被害の全容はつかめていない」。JR九州は周辺の線路沿いを歩いて被害状況の把握に努めているが、担当者は二次災害の危険もあり、作業が思うように進まない危機感を口にした。久大線では光岡-日田の花月川に架かる長さ約80メートルの鉄橋が5日夜、豪雨に伴う増水で流失。橋を架け直さなければ運行再開は見通せず、影響の長期化は必至だ。

 福岡、大分両県にまたがる地域では、倒木で線路がふさがれたり水没したりした場所も複数あるとされ、久大線のうきは(福岡県うきは市)-日田と、日田彦山線の添田(福岡県添田町)-夜明(日田市)のいずれも不通が続く。

 久大線の沿線には温泉地が並び、外国人観光客にも人気のエリアだ。博多(福岡市)や由布院(大分県由布市)を走る観光列車「ゆふいんの森」も、1日3往復全ての運休が続く。全国有数の観光地・湯布院を抱え、2016年に外国人約23万人を含む約363万人の観光客が訪れた由布市への客足が鈍る恐れもある。【共同】

■業績の痛手

 JR九州も「業績の痛手になる」(担当者)との認識で、8月後半に次回運行を予定するななつ星もルート変更が避けられない。変更の場合、他の電車も含めたダイヤの引き直しを迫られるほか、宿泊地が変われば地元と再調整も必要となる。

 由布院温泉観光協会の生野敬嗣さん(48)は「『ななつ星』や『ゆふいんの森』は湯布院観光の顔だ。走れないのは大きなイメージダウンで、客足にも影響する」と運休の長期化を心配する。

 車を持たない学生や高齢者にとって生活への打撃は避けられない。JR九州は10日から久大線の不通区間でバスによる代替輸送を開始したが、通常より本数は減り、他の鉄道区間との接続面でも不便になる。福岡県久留米市の自宅から久大線で日田市の私立高校に通う2年の女子生徒(17)は「毎日使っていたので本当に困る」と話す。【共同】

 ■重要インフラ

 菅義偉官房長官は9日の記者会見で「鉄道は地域にとって重要なインフラで、生活の足でもある。被害状況をしっかりと掌握し、できる支援は行いたい」と強調し、政府としても早急に対応策を検討する考えだ。

 日田市は例年7月になると祇園祭や、旬を迎えたアユを求める観光客でにぎわうが、豪雨で祇園祭の一部関連行事の中止を決めた。市観光協会の木下周事務局長は「最近は久大線を使って観光に来る外国人観光客も増えていた。まず復興優先だが、旅館のキャンセルも相次いでおり影響が心配だ」と気をもんでいた。【共同】

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