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JAさが職員、1億円超着服 共済を無断で解約

他の2職員も

2017年07月06日 09時31分

元職員の1億円を超える着服を含め、3件の不祥事を謝罪したJAさがの大島信之組合長(右)と楠泰誠常務理事=佐賀市の佐賀県JA会館本館
元職員の1億円を超える着服を含め、3件の不祥事を謝罪したJAさがの大島信之組合長(右)と楠泰誠常務理事=佐賀市の佐賀県JA会館本館

 JAさが(大島信之組合長)は5日、共済業務を担っていた職員が顧客の契約を無断で解約し、解約金1億1万円を着服していたとして、3日付で懲戒解雇したと発表した。被害額は調査中で、さらに2千万円は増えるとみており、警察への告訴も視野に入れている。別の職員2人による2件の着服も明らかにした。

 JAさがによると、鳥栖市のとすにし支所渉外課係長だった30代男性が1億円を超える着服をした。2011年6月から17年3月にかけ、勤務した旧基里支所など3支所の顧客10人の共済50口を無断で解約していた。被害者は一般利用者が5人、残る5人は家族や親戚で、男性は「外国為替証拠金取引(FX)に伴う損失の穴埋めに使った」と話しているという。

 一方、嬉野市の塩田支所の営農課職員だった20代男性は16年11月から17年3月にかけ、生産者部会の事務局を名乗って商品券679万円分をAコープから入手し、代金を支払わなかった。13年7月から16年7月にかけては、部会の口座から296万円を引き出した。男性は今年3月に自殺し、商品券の納品書が見つかったことなどから判明した。

 三日月支所小城営農経済事業所(小城市)に勤務していた50代男性職員による着服については4月に明るみに出ていたが、6月12日付で懲戒解雇したことを発表した。集落営農組織の口座から着服した2826万円はギャンブルや飲食代に使っていたという。

 27日に開いた臨時総代会で3件とも報告したが、1億円を超える着服は「調査中」として金額を明かしていなかった。これまで公表しなかった理由について、JAさがの楠泰誠常務理事は「まず組合員におわびした上で説明したかった。関係者の処分は今後検討する」と説明した。

 大島信之組合長は「事件の全容解明や検証を行い、再発防止に努めていく」と謝罪した。

■6年間見抜けず被害拡大 解約通知不要の顧客狙う

 JAさがの元職員による1億円超の着服事件は、顧客の共済(保険)を無断で解約し、6年間にわたって解約金をだまし取っていた。「長期間見抜けなかったことが被害を拡大させてしまった」と幹部は唇をかむ。元職員が解約通知を郵送しないよう希望していた顧客を狙い打ちしていたことも発覚が遅れる一因になった。

 着服に利用された「一時払い共済」は最初に掛け金全額を払い、5~10年後に利息を含めて受け取る貯蓄性の高い商品。解約には共済証書と解約申込書が必要だが、元職員は証書の紛失届と解約申込書を偽造して支所に持ち込んだ。書面上は問題がなく、上司のチェックをすり抜け、定期監査でも判明しなかった。

 判明している一般顧客の被害額は約5100万円。調査結果次第で、さらに膨らむ可能性がある。JAさがは顧客に不利益が出ないよう同じ契約内容で再発行している。

 楠泰誠常務理事は会見で、今後は解約通知の郵送を希望しなかった顧客に対しても、支所の管理職員から電話したり、直接会って報告したりするなど再発防止に取り組むと話し、「同様に無断で解約されていないか、管内の全地区、全支所で徹底的に洗い出していきたい」と強調した。

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