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憲法9条に自衛隊 自民改憲案たたき台判明

2017年06月22日 09時45分

憲法9条に自衛隊 自民改憲案たたき台判明

 自民党の憲法改正推進本部が、憲法9条に自衛隊の存在を明記する安倍晋三首相(党総裁)提案を踏まえ、今後の議論のたたき台とする条文案が21日、判明した。現行9条と別立ての「9条の2」を新設し、自衛隊について「わが国を防衛するための必要最小限度の実力組織」と規定。戦力不保持などを定めた現行9条2項を受ける形で「自衛隊を設けることを妨げるものと解釈してはならない」と明示した。首相が自衛隊の指揮監督権を持つことも盛り込んだ。党関係者が明らかにした。

 推進本部は21日、全所属議員を対象とした全体会合を開き、9条への自衛隊明記案を巡って本格的な議論をスタート。賛成論が出る一方、9条2項との整合性の面などで異論もあった。条文案は示されていない。自民党は年内の改憲案策定を目指しており、早ければ秋にも具体的な条文案を巡って公明党との調整に着手したい意向だ。

 推進本部の保岡興治本部長は記者会見で、改憲の国会発議に関し「来年の通常国会が終わるまでにできればベストだ」と表明した。

 条文案で新設した9条の2のうち、自衛隊の位置付けに関する文言は内閣法制局が積み重ねてきた答弁を踏まえた。同時に、文民統制(シビリアンコントロール)も明確化すべきだと判断した。

 このため9条の2の2項として、首相が内閣を代表して自衛隊の最高指揮監督権を有すると定めた上で、自衛隊は「国会の承認その他の民主的統制に服する」とした。自衛隊法にも首相が自衛隊の指揮監督権を有するとした同様の規定がある。

 9条改正を巡り、自民党は集団的自衛権を限定的に容認した現在の政府解釈を変更しない立場。ただ「わが国を防衛するため」という表現には、あいまいで新たな解釈を生みかねないとの指摘が出そうだ。拡大解釈を防ぐため、自衛隊は何を目的とする組織なのか、現在の政府解釈を明確に書き込むべきだとの意見が出る可能性もある。

 9条の2を新設する形式を採用したのは、同3項を設けるよりも、1、2項から成る現行の9条を堅持するとした首相の姿勢が鮮明に打ち出せ、他党の理解を得やすいとの狙いがある。

 推進本部は8月末まで全体会合開催を予定しており、9条改正のほか、教育無償化や緊急事態条項、参院選「合区」解消の4項目を中心に議論を一巡させる。これを踏まえて再び9条を議論し、具体的な条文を固めたい考えだ。【共同】

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