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PTA強制加入なの? 入退会巡り規定論議

2017年05月15日 11時10分

佐賀市内の中学校のPTA会則。会員の項目に入会や退会の規定はない
佐賀市内の中学校のPTA会則。会員の項目に入会や退会の規定はない

■佐賀市の3小中で開始 他県で訴訟に発展

 佐賀市の複数の小中学校で、PTAの入退会のあり方が議論になり始めた。事実上の「強制加入」となっている現状に対し、保護者から疑問視する声が上がり、退会する事例も発生している。他県では入退会を巡り訴訟に発展したケースもあり、会則の見直しを視野に議論する小中学校も出ている。任意性を強調すれば退会者が増え、PTA存続に関わるとの懸念があり、慎重に議論している。

 熊本県では、保護者が同意書のない入会などに問題があるとしてPTAを相手取り訴訟を起こした。両者は今年2月、福岡高裁で「PTAが入退会自由であることを保護者に十分に周知すること」などを和解条項に盛り込み和解した。

 佐賀県内でも入会同意書はなく、慣例的に「入学=入会」となっている。PTAを取り巻く環境が変化していることや訴訟に発展するリスクなど熊本県の事例を踏まえ、佐賀市PTA協議会には2月以降、入退会のあり方について問題提起する意見が寄せられたという。

 佐賀市内のある小学校では、数年前に退会者が出た。会則に退会規定がないため、手続きをどうするかから検討する必要があった。退会者が出た学校は「保護者が退会したとしても、子どもに教育上の影響はない」と強調した上で、「学校運営ではさまざまな協力をいただいている。議論の推移を見守りたい」と状況を注視している。

 別の3小中学校では退会規定を設けるべきか議論が始まっている。3校は隣接しており、1校だけではなく3校で歩調を合わせた改定を視野に入れている。

 50代の中学PTA関係者は「裁判の結果で入会が任意であることがはっきりした。退会規定は盛り込むべき」と主張する。PTA活動の多くは母親が担っているといい、「現在は共働きやひとり親、介護など家庭の状況はさまざま。全員加入の現状では均等な負担を求めがちだが、状況によってできる人とできない人がいる」と語り、時代にそぐわない面を指摘する。

 PTA会長経験のある40代の男性は「入退会規則はこれまで何の疑問も持たれず、触れられてこなかった。多様な声を拾うためには全員加入が望ましいと思っているが、従来の方法で支障があるなら県全体で慎重に議論する必要がある」と話す。

 県PTA連合会事務局は「各PTAに対応を任せている。議論すべきとの提案が出れば、議論すべきかどうか検討する」としている。

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