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米政権、核禁止条約交渉で日本参加に「激しい嫌悪」

2017年03月16日 14時14分

米政権、核禁止条約交渉で日本参加に「激しい嫌悪」

 今月末に始まる核兵器禁止条約の多国間交渉を巡り、トランプ米政権が「激しい嫌悪感」を示しながら、日本の交渉参加に反対する意思を日本政府に伝えていることが15日、分かった。複数の日米外交筋が明らかにした。

 オバマ前政権も「実践的な核軍縮を阻害する」として、日本をはじめ同盟国の交渉参加に否定的だったが、トランプ政権の姿勢はより強硬とみられ、日本は難しい立場に追い込まれている。

 外務省は交渉参加の可否について「政府全体で検討中」としているが、「日米同盟重視の観点から参加するべきでない」との意見が安倍晋三首相の周辺にある。

 参加に意欲を見せてきた広島選出の岸田文雄外相は16日、ティラーソン米国務長官と都内で会談する。その結果も踏まえ、首相と協議の上、日本の態度を最終決定する見通しだ。

 同筋によると、先月の岸田、ティラーソン両氏の初会談で核兵器禁止条約が議論に上り、日米の外交当局も水面下で意見調整を進めた。その過程で米側は「激しい嫌悪感を露骨に示す表現」(同筋)を用いながら、日本の交渉参加への反対を表明した。

 米政府筋は、日本を含む同盟国の条約交渉参加に反対する米国の立場は一貫していると指摘。日本政府高官は「禁止条約に対するトランプ政権の態度はオバマ政権時代より厳しい」と語った。

 同高官はまた、トランプ大統領が先月の日米首脳会談で「核の傘」の有効性を再確認した経緯から、「日本が交渉に参加すれば同盟関係の中長期的な傷になる」との懸念が日本政府内にあると解説した。

 条約交渉は、昨年末に国連総会で採択された決議に基づき今月27日からニューヨークの国連本部で始まるが、米ロ英仏の核保有国は不参加。中国は2月中旬にあった準備会合に出席したが、参加するかどうか不明だ。

 日本は準備会合出席を見送った。(共同通信編集委員 太田昌克)

 ■核兵器禁止条約 核兵器の開発、実験、保有、使用を全面禁止する条約。核使用の「非人道性」に焦点を当て、核廃絶論議をリードしてきたオーストリアやメキシコなどが国連総会に昨年秋提出し、採択された決議に基づき、3月27日から条約交渉が断続的に始まる。国連総会の採決では113カ国がこの決議に賛成し、日本や米英仏ロなど35カ国が反対、中国など13カ国が棄権した。今年秋にも条約案がまとまる可能性がある。

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