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聴覚障害者への情報保障、改善半ば 文化施設に追加調査

2017年03月07日 09時38分

佐賀城本丸歴史館の受付には、聞こえにくい人が聞こえやすくなるスピーカーが設置されている=佐賀市城内
佐賀城本丸歴史館の受付には、聞こえにくい人が聞こえやすくなるスピーカーが設置されている=佐賀市城内

 佐賀県聴覚障害者サポートセンター(佐賀市)は、聴覚障害者へ的確に情報が提供される環境づくりに向け、2年前に県内の公立文化施設21カ所に改善を要望した項目の追跡調査をした。展示物を説明する文字を大きくするなど、改善したのは3分の1の7施設にとどまった。障害者への必要な配慮を義務付けた障害者差別解消法の施行から4月で1年。情報保障は依然として道半ばのようだ。

 最初の調査は2015年、センターの中村稔参事(58)が県立博物館・美術館など主要な文化施設を訪れ、緊急時の電光掲示板や動画の字幕の有無など10項目を点検した。その結果、展示を理解するための文字表示がなく、避難誘導の表示が不足するなど、全施設で情報提供が「不十分」と判定し、改善を求めていた。

 今年1月中旬に文書で現状を尋ねたところ、7施設が改善に取り組んでいた。徐福長寿館(佐賀市)は筆談ボードと避難案内表示板を整備した。九州陶磁文化館(西松浦郡有田町)や佐賀城本丸歴史館(佐賀市)は聞き取りやすくなるスピーカーを設置した。

 災害の発生を知らせるランプ付きの避難誘導灯や電光掲示板などハード面では、3施設が「設置する予定」と回答した。一定の費用がかかるため、吉野ケ里歴史公園(神埼市郡)は「スタッフを配置し、避難誘導をしたい」、大隈記念館(佐賀市)は「設置している避難指示パネルを災害時は活用したい」と答えた。

 桜城館(小城市)は要望を受け、展示解説の文字を拡大し、照明を明るくする工夫もした。「資料保存の観点から照明を抑えてきたが、可能な範囲で見やすくした。高齢者を含め、さまざまな人が観覧しやすい施設になれば」と話す。

 中村参事は「予算の関係もあり、整備が厳しいのが現状だろう。聴覚障害者が困るところは想像しづらい。だからこそ、声を上げ続けることで知ってもらいたい」と話している。

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