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山口県政1期目 仕上げへの布石(2)明治維新150年事業

2017年03月01日 14時46分

肥前さが幕末維新博事務局の看板をかける山口祥義知事。県民の佐賀への愛着や誇りの醸成を県政運営の重要課題としているだけに、明治維新150年を「最大のチャンス」と考える=1月10日、佐賀県庁
肥前さが幕末維新博事務局の看板をかける山口祥義知事。県民の佐賀への愛着や誇りの醸成を県政運営の重要課題としているだけに、明治維新150年を「最大のチャンス」と考える=1月10日、佐賀県庁

 京都、北海道、沖縄…。これらが上位の常連だという。ブランド総合研究所が毎年行っている「地域ブランド調査」。消費者への細かな聞き取りで、都道府県の魅力度やイメージなどのランキングを毎年公表する。冒頭の道府県は、郷土愛を示す「愛着度」「自慢度」で上位5位に名を連ねることが多い。

 その「自慢要因」をみると興味深い結果が出た。「歴史人物、著名人、職人などにゆかりがある」を選んだ割合が高い順で見ると、山口、京都、鹿児島、高知となる。明治維新の原動力となった「薩長土肥」のうち、佐賀を除く3県が上位を占めた。佐賀は17位。

 「本来、佐賀県民は歴史に誇りを持って前に進めるような県民。せめて5位にまでは押し上げていきたい。それだけに明治維新150年は最大のチャンス」。28日の県議会代表質問で山口祥義知事は、2018年の「明治維新150年」に合わせて実施する記念事業への強い思いを訴えた。

 県は新年度、幕末維新期に活躍した佐賀の偉人や偉業を顕彰する「肥前さが幕末維新博」を県内全域で展開する事業に乗り出す。

 「佐賀は何もなか」。後ろ向きな県民性の転換こそが政策効果を最大化し、県勢浮揚にもつながる。山口知事は、その考えに沿って、足元にある誇るべき文化や歴史、産業などを見つめ直す「佐賀さいこう」を打ち出した。その延長線上に今回の事業がある。

 当初予算案に9億5千万円を計上するが、計画の具体像はまだ定まっていない。構想として示されているのは、メインのテーマ館が佐賀市城内の市村記念体育館を活用し、最新の映像技術などを駆使した展示で幅広い世代の関心を刺激する、各市町でも地域が誇る偉人や文化、産業などをテーマにした展示・イベントで一体感を演出してもらう、など。6月議会で本格的な関連予算案を提出する考えで「それまでに全体像を示す」(事務局)。

 一過性のイベントにしない。県が持つ最大の問題意識だ。「教育と産業振興にどうつなげるか。『未来志向』の観点を具体化できるかが事業の成否を占う」。県幹部は強調する。

 町教育委員を務め、メッキ加工会社社長でもある三養基郡基山町の田口英信さん(59)は県の取り組みに注目する。「佐賀市城内一帯で展示やイベントをやっても、基山を含む周辺部では『佐賀で何かやってる』というイメージしか持ちにくい」。佐賀藩ではなかった唐津、鳥栖などの地域の関心を引きつけ、一体感を醸成するためには相当な工夫が必要とみる。教育面でも「佐賀への愛着を育むには、踏み込んだ郷土教育が必要」と訴える。

 産業界を含め民間を動かすだけのメリットをどう示すか。田口さんは「進取の気風を現代によみがえらせるような大胆な仕掛けがほしい」と期待する。

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