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福岡の屋台公募、大混乱 落選に不満、提訴検討

2017年02月27日 08時15分

来店した客と話す屋台「かじしか」の店主下村克彦さん=23日夜、福岡市
来店した客と話す屋台「かじしか」の店主下村克彦さん=23日夜、福岡市

◆不正で選定やり直し要求

 福岡市が昨年初めて実施した屋台経営者の公募が、4月の運用開始を前に大混乱に陥っている。落選し、廃業を迫られる既存の経営者の不満は強く、一部は訴訟を検討。複数の選定委員が、事前に経営者に応募の助言をしたり、非公開の審査項目を記した内部資料を渡したりしていたことが判明し、選定やり直しを求める声も高まっている。

 公募は、許可を受けた人以外が経営していたことで営業期限が3月末で切れる「名義貸し」屋台28軒分。

 博多区の人気店「かじしか」は営業継続のために応募したが、1次審査の書類選考で落選した。店主下村克彦さん(50)は「理由の説明がなく納得できない」と収まらない。赤ら顔の常連客も「繁盛店をなくせば観光資源をつぶしてしまう。親しみのある店をなくさないでほしい」と憤る。

 市が、今後の公募に影響するとして具体的な配点などを公開しない上に、昨年10月に市の選定委員会の委員が既存経営者らの応募書類の添削などをして6人が合格していたことが発覚し、不信感が一気に高まった。

 博多区で40年以上営業が続き、1次審査で落選した屋台「天新」の佐藤雅三さん(51)は「選定が適正に行われたかどうか疑問だ」として、営業継続を求めて3月にも提訴する方針だ。

 戦後、各地の闇市から始まった屋台は、都市化とともに激減したが、福岡市では道路占用許可を得て今も多くが営業し、日本の屋台文化を担う。

 そんな福岡市でも、最盛期の1965年には400軒以上あったが今では約120軒。「通行の邪魔」「不衛生」などの不満の声の高まりを受けて、市が許可を原則として一代限りとする指導要綱を定めたことなどで減少に拍車を掛けた。

 2010年に初当選した高島宗一郎市長が屋台を観光資源と位置付けて制度を見直し、昨年9月から公募を開始。108軒が応募し、倍率は3・86倍の狭き門だった。

 選定委は混乱の対応に追われている。応募者に便宜を図った委員1人を解任。別の委員も辞任届を出した。

 不正に関わり合格した6人を失格とし、その枠を再公募する案などが検討されており、制度は出だしから大きくつまずいた格好となった。

 一方で、公募で新たに選ばれた経営者の1人は「若い女性や外国人が気軽に入れる店にしたい」と、欧州のパブのような屋台を企画し4月の開店準備を進めている。新たな屋台文化の芽生えも期待される公募制度の行方が注目されている。【共同】

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