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農業、訪問介護に外国人 政府方針、担い手不足解消

2016年10月05日 14時02分

 安倍晋三首相は4日開いた国家戦略特区諮問会議で、農業分野で特区への外国人労働者の受け入れを検討する方針を示した。厚生労働省の有識者検討会はインドネシアなどの外国人介護福祉士の就労を、2017年度にも訪問介護サービスに拡大する方針を決定。人口減少や高齢化で深刻な担い手不足に悩む現場の労働力を確保しやすくする狙いだ。

 政府はこれまで原則として、高度で専門的な分野に限定して外国人労働者の就労を認めてきた。一方で外国人労働力が不可欠となっている分野もある。法的に活動の場を広げ、足踏みする日本経済を底上げする。

 現行制度では外国人労働者が農業に従事することは認められていない。安倍首相は諮問会議で農業分野への外国人受け入れは特区の重点課題だと強調。法改正も視野に「実現に向けた議論を加速する」と述べた。特区の場所を含め、制度の詳細は今後検討する。

 農林水産省によると、16年2月時点の農業就業人口は前年比8・3%減の192万2200人で、1990年の4割程度にまで落ち込んでいる。

 外国人の活用に向けた新制度では、日本人と同等以上の報酬を支払うことを義務付け、入管難民法の特例を活用することなどを想定している。

 途上国の外国人を実習生として農家などで受け入れ、技術を習得するために働いてもらう既存の「外国人技能実習制度」は維持する方向だ。一定期間、実習を受ければ、特区で働ける仕組みも検討する。

 実習制度では、劣悪な労働条件で外国人を縛り付けるケースがあり、強制労働の温床だとの指摘もある。新制度を含め、農業に従事する外国人が適切な処遇を受けられるかが課題。

 日本との経済連携協定(EPA)に沿って来日し、日本の国家試験に合格した外国人介護福祉士は特別養護老人ホーム(特養)などの施設でしか働けないのが現状だ。

 4日の厚労省の有識者検討会は就労先の拡大に向け、ガイドラインをまとめ、日本文化や高齢者の生活習慣などに関する研修や容体が急変した際のマニュアル整備などを求めた。【共同】

=用語解説=外国人技能実習制度

 外国人が日本で最長3年働き、習得した技術を母国の経済発展に役立ててもらう制度。1993年に導入した。2015年末の実習生は約19万3千人で、機械・金属、繊維・衣服、建設など74職種で実施している。実習生の出身国は中国が最多で、ベトナム、フィリピンが続く。実習を行っているのは従業員19人以下の零細企業が大半を占める。

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